アントニオ猪木が亡くなった。自分は力道山世代なのでビンタされて闘魂注入を喜ぶ年でもない。モハメドアリとの世紀の対決もテレビで見ていたがなんとつまらない試合だと思っていた。議員になってからもたまたま見ていた国会中継で道時間が余ってしまい「歌でも歌いますか」と発言した事に腹を立てた。イラクでの人質解放に貢献したことについても当時半分売名行為ではと思っていた。だが今では評価している。日本の外交施策に欠けているものがあったのではと考える。相手の懐に飛び込み、とにかく話をとことん聞く。寝食を共にし信頼を勝ち取る。昔ながらの人間関係の作り方だ。「外交に勝利者なし」アントニオ猪木の言葉である。それは相手を信頼し技をかけあう・・・時には勝利を相手方に譲るというプロレスの美学から来ているものと思う。アリと戦った男として世界的に有名である。北朝鮮にも独自のパイプを持っていた。国家の最重要課題とよばれて30年・・拉致問題はほとんど進捗していない。猪木自身「もっと私を利用してほしかった」と発言している。今更ながら日本の外交政策の稚拙さを憂うのである。