LUNA(vo)碓井佑治(g)柳 真也(eb)竹村一哲(ds)
第5回Rockの狂宴。連戦連勝の快挙を続ける祭典ではあるが、全国各地の大規模イベントが軒並み中止に追いやられている折、“レイジー・バードお前もか“の心配が走るも、無事挙行されるところとなった。それはそうとM・タイナーに“トライデント”という力作があるが、加療中の秋田不在のこの日は“トラ入れんと”の3人編成だとされていたのが、急きょ柳が参戦することになり、辛うじてLOUD3の看板は傾かずに済んだのである。こんな異例のづくめ状況で、JAZZクソクラエ興業の開始だ。
‘70年ころ一世を風靡したハード・ロック・トリオのGFR(グランド・ファンク・レイルロード)の「アメリカン・バンド」が最初の曲だ。沈滞ムードが漂っていた場内からどれだけ叫びを引き出せるかが、本節、LUNAの重大任務である。果実が熟しながら膨らんでいく時の圧力が一気に皮を引き裂くような爆唱・爆音。これで過去4回の実績が敷き詰めて来たレイルロードに乗っかったといっていい。そこに快速「ロックン・ロール」が追っかけて行く寸法だ。ライブでは3曲目当たりがバラードの指定席になっているが、クラプトンの「オールド・ラブ」を持ってきた。悲惨な歌詞らしい。人生色々なことがある。「グッド・タイムス・バッド・タイムス」。2nd.は景気づけの「ウイ・ウイル・ロック・ユー」で開始。その終わりにSuddenly,サプライズがやって来た。LOUD3オリジナル・メンバーの秋田が演奏に立つというのだ。LUNAがアナウンスすると涙交じりの大歓声が沸き起こったのだ。秋田が数カ月振りに抱くベースは「ホール・ロッタ・ラブ」を突き抜けて行った。そして「ステア・ウェイ・トゥ・ヘヴン」、「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」、秋田に対する毒づいたヘブン選曲が並び、「リデンプション・ソング」に繋いだ。リデンプション=償還だが、この日に限り“生還”という意味が適切だ。アンコールは再び柳が入り、「ホンキー・トンク・ウイメン」で閉めたのだった。なお、2日目は、初日の数曲に合わせ「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」、「ザ・ウェイト」、「リトル・ウィング」、このバンドが最高の緊張感と最大の興奮を提供する「プラウド・メアリー」、「諸行無常」を脅かす圧巻の「フォーエバー・ヤング」でフィニッシュ。
この日15周年VOL.1は、Rockは決してRockdownされぬと宣言したのだった。では、秋田の順調なカニ・バックを願いつつ、横バイバイ。
(M・Flanagan)