lazyの打ち上げで主役の座に収まっている酒が有る。宮崎県のイモ焼酎、その名を「いも美」という。メインボトルを選定するに当たって配達をお願いしてる酒屋の焼酎を一通り飲んで決めた。薩摩焼酎のように匂いぷんぷんさせて片肌だして歩く薩摩おごじょとは一線を画す酒と感じている。ヤクザな焼酎なのだが品を感じさせるのである。藤純子演ずる緋牡丹博徒の其れである。残念ながら緋牡丹お竜は熊本県出身ではあるが・・・。学生も初めての酒がいも美という者も多い。時々品切れになり違う焼酎を出すと一口飲んで「これはいも美ではない」と当てる無意味に舌が肥えてくる者もいる。大石学は「E more me」という曲を作ってCDに収録してくれた。ワンノートサンバのようにミの音を中心にハーモニーが広がっていく美しい曲である。タイトルもしゃれている。「もっと光を」と呟いたのはゲーテであるが大石は「E・・もっとミを・・」と叫んだのである。この「いも美」が原因で打上の席でひと悶着起きたことが有る。ピアニストの荒武裕一朗が来たことが有る。荒武は宮崎県出身である。打上の席ではテーブルの真ん中にいも美が鎮座している。荒武はいも美の事は勿論知っていた。県人はあまりいも美は飲まないです・・。何を飲むか・・との僕の問に事もあろうか「いも美で良いです。」と答えたのである。「が」ではなく「で」という助詞を使った事に腹を立てたふりをした僕は「無理して飲まなくても良い」といも美の蓋を閉めた。慌てた荒武は「いも美が飲みたいです」いも美が飲みたいです」と「が」を連発したのであった。なぜこんなことを想い出したかと言うと今日博多華丸大吉の漫才を聞いていた。「イカが採れない」との切り口で始まる話であった。八代亜紀の持ち歌で「舟歌」というものが有る。「お酒はぬるめの燗がいい・・さかなは炙ったイカでいい」と歌い出される。ここに華丸はいちゃもんをつけるのである。イカが取れなくなった今日この頃「イカでいい」というセリフなないやろ・・・最低でも「イカがいい」だろう・・もっといえば「ご主人今日イカは入荷しましたかだろう・・・と話にイカのぶんざいで尾ひれが付いて行くのである。僕と同じ発想と感じた。
2025/4/16