「四月は残酷な月だ」TSエリオットの詩集、「荒地」はこの一節からはじまる。三月が終わると詩の内容と一切関係ないのだがこの一節を思い出してしまう。三月が忙しくもあり、大変でもあるのだが周年記念ライブやら、長年見続けてきた学生の卒業ライブもありこの時期にしか会えないお客さんも来て毎日が竜宮城状態。いも美の海でおぼれ続け玉手箱も開けないのに髭が真っ白になり世の中の動きに取り残される。新聞がたまり、ごみがたまり、洗濯物がたまり、藤原の鎌足、たまらないの現金のみ。そんな喧噪な三月が去り、新入社員の様な四月がやってくる。四月は別れの季節でもある。何人かの学生が全国に散り、僕が主催するワークショップjazz幼稚園のメンバーも二人転勤になってしまった。四月も何日か過ぎると店も僕も急に落ち着きを取り戻し真面目になってしまう。なんて馬鹿な飲み方をしたのだろうと思い出させる四月は残酷だ。