SNS選挙の手法

これほどまでにネット情報が選挙の行方を左右するとはにわかに信じがたかった。参政党は都議選で初議席を獲得した。まあ、自民党の裏金問題もあるし右派の票が流れたくらいにしか考えていなかった。参院選が始まった。ここでも当初「台風の目」的扱いであったが勢いが止まらない。東京都では泡沫候補であった参政党「さや」はトップ当選を勝ち取る勢いであり各選挙区でも善戦している。代表神谷宗幣の演説を何度も聞いた。その都度新しいデマがちりばめられている。ファクトチェツクが必要ないほど常識で考えてもそれはないでしょう・・・というものも含まれている。当然ジャーナリストから突っこまれるがそこは親衛隊みたいな存在が出しゃばってきて質問を遮る。これを切り取り動画で見ると神谷宗幣が上手くあしらっているように見える。神谷は有権者が何に食いつくかを熟知している有能な営業マンである。政策には日本を戦前に戻す内容が盛り込まれているが街宣ではそこまで言及されない。主たる政策は3本ある。1排外主義的経済政策2農本主義的エコロジー3復古主義的文化政策。街宣で繰り返し主張するのは1の部分である。外国人のおかげで日本人は貧しくなったとの錦の御旗を掲げる。日本人を豊かにするとの大義目言い分のもとまず共感感情をあおり次に指し障りのない具体策を提示する。食いついてくれば一番コアな部分を披瀝するという戦法になっている。参政党の憲法草案まで読む支持者はほとんどいない。一番コアな部分は大奥に絹の風呂敷に包まれて奉納されている。支持者が何故参政党になびくかというと真実はSNSの再生回数にある・・ということがまかり通っているからだ。この傾向は今回に始まったことではない。神戸知事選の斉藤、都知事選の石丸にも風を送った。しかし我々はいつからこんなに馬鹿になったのか。