パンとサーカス

テレビは野球一色である。大谷翔平がホームランを打ったとかダルビッシュが投げるとか黙っていても耳に入ってくる。野球に文句をつける気はない。その裏で放送法の解釈変更の議論がされている。その当事者であるテレビ局がその議論には全く触れていない。偏った報道をするならば停波をあり得ると言った政府の脅し文句が効いた格好になっている。元々放送法は戦時下の大本営発表を垂れ流していた反省の上に生まれている。大谷のホームランも真珠湾奇襲成功も効果としては同類である。国民はパンとサーカスを与えておけば大人しくなるものだという寓話である。国会に提出された文書は捏造である可能性は極めて少ない。総務省のHPでも閲覧できる。高市早苗は総務省の官僚にも見放されている。だが本人は4番バッターの大谷の如くとは言わないが来る弾来る弾バットを振り回している。野党も高市を三振に打ち取るだけではなく本来の野球の姿を取り戻す議論を続けてほしい。完璧な資料が揃っている千載一遇のチャンスである。岸田総理から「撤回」の言辞を勝ち取ってほしい。それには国民の声の後押しが必要である。
日本学術会議の任命問題が有った。まだ未解決のままで4月に新しい法案が上程される。加盟している学者は反対声明を出しているが大谷翔平の快音にかき消され国民の耳には届かない。この問題と放送法の問題には同種の通奏低音が流れている。それはバッハの「トッカータとフーガ」に流れる重苦しいサウンドを想起させる。