マーク

ヤンキースで活躍するマー君の事ではない。僕の数少ない外国人の友人の名前だ。カナダのバンクーバー生まれの41歳。札幌に9年住んで7年前にバンクーバーに帰った。2,3年に一度わざわざ訪ねに来てくれる。今年も2週間前再会を果たした」。昨年も来日したが札幌は大地震の直後、マークは関空で台風のあおりで足止め。会うことはできなかった。音大を卒業してトロンボーンを吹く。楽器で職業に就くのはカナダでも難しく、職を得るべく日本に英語教師として来日した。ジャズが好きでlazyの前身の店であるgroovyの戸を開けた時のことは今でも覚えている。見知らぬジャズ喫茶の扉を開けるのは日本人でも多少chu-choバルデスするものである。スーッとごく自然に入ってきた。当時はほとんど日本語は話せなかった。マークと過ごした9年間でメキメキ英語が上達したとは思えないが、外国の人に積極的にコンタクトはできるようになった。年数人来られる外国のお客さんの8割はマークのブログでlazyを知って来店してくれる。そういうお客さんと曲がりなりにも会話ができるのはマークのおかげと思っている。今回もマークの来日に引き寄せられたかのようにめったに会えない人にも会えた。日本領事館に努めているせいか帰った時より日本語が上手くなっているようだった。初めて日本語で村上春樹の「ダンス、ダンス、ダンス」を読んだと言っていた。英語で読むとコミックのように感じたが日本語で読むとそういう印象はなかったとのことだ。僕も英語で読んだがコミックと言う印象は全くしなかった。ここに村上が世界で読まれる共通の主題があるという事、そしてやはり伝わりづらい日本的なものがあることを再認識した。そんなことを話せるのも数年後の事だ。それを楽しみにもうちょっと長生きしてみようと思う。