党首選と財務省

立民、自民党両党とも党首選を繰り広げている。だが消費税減税に言及しているのは両党通じて吉田はるみ候補だけである。それも昔の名前で出ています的な候補ばかりでは流石に見栄えが悪いと言う事で担ぎ出された女性候補である。どれほどの意気込みで消費税減税を主張したのかはまだ分からない。ここ30年不景気が続いている。だがその中で消費税は上がっているのである。景気が悪い時税をあげれば消費は余計落ちる。企業にとっても売り上げが落ちて好材料にはならないはずであるが文句は出ていない。消費税が導入されたときから見合いで法人税が減税されている。経団連の意向でもあるが財務省が黙認しているからでもある。税収では所得税より消費税の方が稼ぎ頭に成長した。財務省は税収が減ることを蛇蝎の如く嫌う。緊縮財政が基本で予算の配分を盾に強大な権力を誇っている。立民の野田候補、枝野候補とも財務省べったりである。自民党では麻生太郎副総裁が財務省と深いつながりを持っており今回の候補の乱立も麻生副総理の戦略である。何とか決戦に持ち込み財務省の力を借りて自分の影響力を残そうとしている。よって各候補とも財務省の怒りに触れる消費税減税とは口が裂けても言わない。財務省では減税など許したものなら将来の出世の道は閉ざされ天下り先も2ランク下がるという。財務省はきわめて政治的な省庁である。安倍総理の時は側近を警察官僚でまとめ省庁では経産省との距離が近く財務省を蔑ろにしていた。この時期である。財務省事務次官矢野氏が月刊誌に政府に批判的な論文を書きその翌年退官した。その人事異動の流れで財務省の高官がlazyに来ている時期が有った。初めてきた時から新聞で見かけていたので思い出そうそして居たら先方から名乗ってくれた。ある時代のjazzにも詳しく、掛けるレコードによってはベース奏者をダグ・ワトキンス、ポール・チェンバース、アート・デイビスと当てるのである。僕としてはジャズの話もいいが折角の機会なので政府高官から日本の外交経済政策についての話を聞きたく話を振ると気さくに答えてくれた。金融政策についてはM・フリードマンなどシカゴ学派のマネタリストの評価は厳しく現代のMM 理論は緊縮財政を看板に掲げる立場としてはもってのほかと言う意見であった。外交に関しても日本はアメリカと連携して生き残るべきという信念をお持ちの様であった。その時だけ温厚な顔つきがちょっと変わった。飲み屋での話とはいえ正直に話してくれて高級官僚の生の意見が聞けて面白かった。毎回ギネスを5.6本飲み、僕にも同じ杯数ご馳走してくれる。ある時持ち合わせが足りなくなり冗談で赤字国債で良いですよと言ったら苦笑いをしていた。元々時限付きの異動であったので10カ月ほどで居なくなったがNO3のポスト審議官には名前は無かった。