世界一幸せな国

「源ちゃんの現代国語」というラジオコーナーがあって毎週面白い本を紹介してくれる。因みに源ちゃんと言うのは小説家の高橋源一郎のことで星野源ではない。この日紹介された本は「世界一幸せな国フィジーの世界一非常識な幸福論」だったと思う。紹介しておきながら無責任なのだが何せ8:00スタートなので僕にとっては深夜番組に等しい。半分寝ながら聞いているので細部についてはご勘弁願いたい。
フィジーは南太平洋にある大小300の島からなる国である。この国に移住した日本人長崎ゆまさんと言う方が書いた本である。世界の国で「あなたは幸せですか」というアンケートを取って幸せと答えた人の人数から不幸と答えた人の数を引いて幸せな人の人数を出したところフィージが近年二度世界一になったという事だ。おもな産業は観光と漁業。平均収入が3万円。多分年収・・・・日給だったら僕もフィジーに移住します。
現地にケレケレと言う言葉がある。日本で言うと「お願い」と「頂戴」と「貸して」の要素が入った言葉で「共有」という感覚を体現している。面白いエピソードが紹介された。ある家に三人組の泥棒が入った。ところがおばあさんだけが残っていて泥棒はびっくりするが勢いおばあさんを脅し有り金持ってくるように言う。おばあさんは全財産を差し出した。泥棒はその場でお金を数え初め3万円くらいあったのであんたの分だと言って6000円をおばあさんに返したという事だ。お金を数えるので逃げ遅れた泥棒は間もなく捕まった。犯罪の話にしてはなぜかほっこりする。泥棒もいい加減だが警察もいい加減という事だ。パトカーのガソリン代の上限が決まっていて、確か一日1200円と言っていたと思うが、それを超えると出動できないらしい。だから何か事故や犯罪があっても今は出動できないので悪いが迎えに来てくれと言われることがあるらしい。なぜそうなったかと言うとパトカーでドライブに言ったり買い物に行ったりするからだ。まずそちらをやめさせようという発想がない。そして調書や何かを取る時コピー用紙が切れていたりすると今月は予算が少ないのであんた買ってくれないかと言われることがよくある。そして被害者も「しょうがないなー」と言ってコピー用紙を買いに行くとのことだ。昔昭和の日本でもお隣に味噌や醤油を借りに行っていた時期がある。貴方のものは僕のもの・・・・僕のものは君のものと言う発想だ。
こういうことが社会風習にも反映されていて、別に裕福でないおばちゃんが何人もの里親になるケースがよくある。
国は裕福でない時期には自分たちで何とかしなければという発想がまだ残っている。
そして驚くべきことに世界一幸せと思った2011年、2014年はまだ軍事政権だった。社会の仕組みとは別のところに生きていく喜びを見出していくという事だと思う
幸福度がGDPと比例しない時期だってあるのだ。ちなみに日本の子供たちの幸福度は最低ランクらしいです。
僕も誰かに施しをしたらまわりまわって戻ってくると信じるタイプだ。実際そうならなくてもそう思って生きていた方が気分が良い。

参考図書
「世界一幸せな国フィジーの世界一非常識な幸福論」長崎ゆま
まだ、読んでいないし題名も著者も間違っているかもしれない。でもおすすめ。
「謎の独立国家。ソマリランド」高野秀行著
世界にはよくわからない国が沢山ある。でも最近の日本だって向こうから見れば変な国かもしれない。