「四月は残酷な月である。死んだ土地からライラックを芽生えさせ・・・」という一節からTSエリオットの「荒地」は始まる。
植物が芽を出すことを強いられた土地が不毛であるならばその生は苦しみ満ちた残酷なものにならざるを得ない。
四月には多くの学生が卒業し社会に出ていく。Jazz研の部員もその中の一人である。二月三月にはその集大成である卒業ライブがlazyで繰り広げられる。学生の成長ぶりを思い出しながら演奏を聴きにそして打ち上げで最後の盃を酌み交わすことになる。東京組のライブも二本あったのでこの時期、月の半分は始発の地下鉄が出てからの帰宅になる。そういう意味で三月も残酷な月であると言える。MCで謝辞を述べられることもある。首筋がこそばゆくなる瞬間でもある。今年は長くバイトをしてくれたJ美、短期であるが手伝ってくれたS太郎、O田も卒業だ。4年、6年あるいは特殊事情により7年の在学年数・・・どちらにせよ僕にとっては一瞬である。これから待ち構えている「荒地」には触れず、卒業おめでとうと全国に送り出している。そんな循環コードが開店以来続いている。卒業する学生にお願いすることは一点だけ。社会人になって余裕ができるようになったらlazyで会ったミュージシャンのライブに顔を出してほしいという事。必ずや歓迎されるだろう。今も東京組から時々北大OBが聴きに来てくれたと連絡が入る。若いリスナーが増えなければ廃れるのは目に見えている。どうかリスナーの遺伝子を引き継いでほしい。そして環境が許すなら又楽器を取り出してほしい。その恩恵が回りまわってLazyにも来るはずである。循環コードの曲は大きく感じて演奏しないとせせこましくて歌にならない。僕も時の流れを大きく感じ遡上する鮭を楽しみに日々頑張るのである。
本音
卒業するそこのお前ら・・・。いったい何本のいも美開けたと思って居るんや。いも美は水道栓から出ないと知っていたか。原価というものが掛かるんだぜ・・原価。これは投資と言っても良いがな。この低金利の時代ハイリターンの商品なんて皆無だ。俺はあんたらに投資しているんだぜ。皆一流企業に勤めたんだろうが・・・。いくら資本家に搾取されたとはいえ手元にはそこそこは残るだろうが・・ああ。一宿一飯の恩義を感じているとしたらそれを素直に行動で表すってことが筋だろうが・・・ああ。最初の給料日・・・楽しみに待ってるぜ。振込先は知ってるな・・・。昔このアドバイスを無視した奴がおったんや・・・。会社に裸踊りしている写真が送られてきたそうや人事課長大した困ったそうや。そうそう、やっとできた彼女のアドレスに他の女の子の膝枕で寝てる写メも送られた奴もいるらしいで・・・えげつないことする奴おるんやな・・・。神社でお守り買うつもりで気持ちを振り込んだらええんや・・・そういうことする奴にわしから安生言ってやるけん。長い就活でつかんだ栄光や大事にせなアカン。