LUNA(vo)小山彰太(ds)、23日田中朋子(p)、24日南山雅樹(p)
この日札幌は半世紀ぶりとなる大雪に見舞われ交通網は大混乱となってしまった。主役二人が来られないとすると、ピアノとドラムスのDUOか奇襲攻撃用トラ・トラ・トラ部隊導入で繕うかの何れかしかない。不安気に会場口にたどり着くと、本日のライブ案内に“欠航により米木参加出来ず”の張り紙。LUNAだけが着いているとしたらは妙なことだ。彼女はこの2日間のために来ると聞いていたが、数日前から周辺で小遣い稼ぎしていたのではないか?しかし、この容疑はあっという間に晴れていった。前日のうちに陸路列車を乗り継いで、鍵の効き目も不確かな函館は場末の宿で一泊、やっとの思いで札幌入りしたとのことだ。歌を聴く前から聞くも涙の物語があったのだ。苦節8年、レイジーバードのファースト・レディーに躍り出るや、今年4度目のライブに賭けた女の情念こそLUNAから枕もとに差し出された贈り物であった。筆者はこの贈り物を“マルコポーロの紅茶”と呼んでみたくなった。理由は分からない。
年の瀬模様を散りばめた今回の選曲は「アメイジング・グレイス~マイ・フェイバリット・シングス」、「ラブ・フォー・セイル」、「ルビー・マイ・ディア」、「リメンバー」(注:寒い冬に元彼とバッタリ、今夜どう?に躊躇する心理を描いたオリジナル・サスペンス)、「ブルー・クリスマス」、「ハンド・イン・ハンド」、「ユウー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング」、「アビス」、「トゥ・フォー・ザ・ロード」、「ア・チャイルド・イズ・ボーン」、「アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト」、「ギブ・ミー・ザ・シンプル・ライフ」、「ヒアズ・トゥ・ライフ」、「プレリュード・トゥ・ア・キス」、「ブリジス」、「淋しい女」、「ハレルヤ」「(カッチーニの)アヴェ・マリア」、「イフ・アイ・ワー・ア・ベル」、「アイ・シャル・ビー・リリーストゥ」。そして、両日とも「諸行無常」の響きあり。曲数が多いこともあって個々に触れる力量がない。いまや、「LUNAのライブはいつも楽しい」が定着している。強引にまとめると、熱い歌と熱い客、“水割りの氷がいつもより早く溶けるのだの法則”が的中したライブだった。今回はあわやホワイトアウト・クリスマスになりかけたところだったが、LUNA奮闘記によって、無事、今年の暮を済ますライブとなった。暮れ済ますライブ、Christmas-Live。Wow!
たまにはレイジーバードの宣伝をしよう、3月10日頃LUNA再上陸が決定。何でも「大暴れスプリング・ライブ」という噂だ。「Live for sale」、仮予約殺到、残りわずか20数席。
(M・Flanagan)