「1984」の誤植ではない。「サカナとヤクザ」と言うルポルタージュの本を読んでいて40年以上前のことを突然思い出した。当時勤務地が千葉市であった。千葉市には札幌で言えばススキノみたいな歓楽街がありK組が取り仕切っているという話であった。その千葉店にはK組の御曹司が勤務していて確か3年先輩であった。何か揉め事があったら相談するようにと言われた。そんなことはあるまいと思っていたが野球をしていたらボールが893の方の高級車に当たってしまったことがあった。
「話しつけようなないか・・・」とすごまれたのですぐKさんに連絡をした。「野球はもっと広いとこでせー。皆が迷惑する」と注意されるだけで済んだことがあった。
東京に遊びに行って最終便で千葉駅に着いた。住んでいたのは市原市と言うところで千葉からバスで30分ぐらいのところであったがもうバスはない。駅から降り立つとタクシーの客引きが何人か纏わりついてきた。タクシーならどこでも一緒と思いある人に付いていった。そこには僕と同じ目に遭った3人の人と赤いサンダーバードが待ち受けていた。タクシーではなかった。一人は用事を思い出したと言って足早に逃げ去った。僕は急には用事を思い出せなかった。行き先を聞かれた。まずいことに僕が一番遠い。僕はアメ車の助手席に乗り893の方と二人深夜のドライブを楽しんだ。
会社が入っていたビルはT創業と言って右翼の大物児玉誉志夫と親交のある社主のものでわが社の社長も親交があると知ったのはだいぶ後のことになる。
何故か千葉の話になると893の思い出とつながってしまう。
「サカナとヤクザ」には銚子の密漁を仕切る893の親分さん名前が実名で出てくる。Kさんはその親分さんの御曹司だったのだと改めて思うのである。
参考図書
「サカナとヤクザ」暴力団の巨大資金源「密漁ビジネスを」追う
鈴木智彦