今年はアノ話題一色になってしまうのであるが、ここは、そういうページではないようにしたいものなのだが・・・。年明けは1年で最も寒い。例年の北海道ならダイヤモンド・ダストの季節だが、今年は横浜のダイヤモンド・プリンセスに乗っ取られてしまった。ここまで傷口が深くなるとは思っていなかった2月、日本が誇るコードレス・トリオがまさに円熟の熱演を残していった。そして4月を挟むかのように14周年記念ライブへと突入する。先発のLUNAウイズ一哲LOUD3、このライブは目玉でもありスクランブルでもあった。続けざまに、一哲が自身のバンドで畳みかける。LB初演の今を時めく井上銘が唖然とするパフォーマンスを見せつけて行った。矢継ぎ早に本山Special Trio(本山、米木、小松)に引き渡された。本山の充実ぶりがこのまま闇を突き抜ける光となればよいのだが、取り越し苦労はあっけなく現実のものとなっていった。
マスクも満足に入手できない状況下、勤務先の自粛指令強化によって世は一気に暗雲に覆われて行ってしまったのである。ライブは中止、順延、ライブ配信などに取って代わられることになってしまった。暗黒の4月、5月が過ぎてようやく脱巣ごもりに切り換えられて行ったのだが、三密回避の号令が定着しており、中々、ライブに活況が戻らない情勢が続くことになったのである。そんな6月に鈴木央紹が来演した。やっぱり“生”だよなという思いが込み上げてくる演奏だった。この月の後半には恒例の大石・米木が陣を張った。ここで大石はレイジー特選“いも美”をモチーフとする“E・MORE・ME(Eの音をもっとくれ)”を初披露した。6月27日は“いも美の日”となったが休みではない。そして祈りを込めた「Peace」でトドメを刺したのである。低空飛行の日々が続き、夏が過ぎていくころLUNAによるJazzと昭和歌謡の二股ライブ、恐ろしや恐ろしやだ。残念ながら9月の松島を聴くことは叶わなかったが、それを補って余りあるのが鈴木・宮川のDUOだ。いつ聴いても素晴らしい鈴木だが、DUOなので存分に吹きまくる最高の姿があった。そして宮川のベース音が醸し出すグルーブは得も言われぬものだ。“オルガンの・超つくすごさ・テナーもんや(一茶)“。この月の後半、大口・米木のDUOだ。大御所の沸き上がるエナジーには脱帽するしかない。そういえば本山が、大口さんが弾いたあとのピアノはよく鳴ると言っていたのを思い出す。10月は池田篤、バラードにアップテンポに非の打ちどころ無し。12月は壷阪健人トリオ、LUNA2デイズ。何れもベース若井俊也の”どえりゃー“演奏が聴けた。イライラとムシャクシャの同盟軍に愛知・神奈川連合軍が完全勝利した。この3日間の模様は、止むにやまれず来られなかった人にCD-RでLive For Sale。
こうなりゃ最後にひとこと言わせて頂く。今年のGO TO騒ぎだ。一部の経済活動が全国民の利益になるかのような虚構が政府に仕組まれてしまった。月並だが、セーフはアウトだ。“こんな・頓智メンタル・ムード”から来年は脱出しましょう。
(M・Flanagan)