ジャニーズ問題の報道を考える

カウアン岡本さんの記者会見をノーカットで見た。ジャーニー喜多川氏の性暴力は言語道断と考えるがここではそれを巡ってのマスコミの対応に焦点を当てて述べたい。1999年週刊文春に取り上げられジャーニーズ事務所は名誉棄損で訴え敗訴している。カウアンさんの事件はこの裁判以降の問題であることを覚えておかなくてはならない。それ以前にも1960年代のフォーリーブスの時代からその手の噂は耳にした。だがあまり記憶がないのは決して大きく取り上げられることがなかったからだ。今回の事件もBBC放送のドキュメントから口火がきられた。記者会見は日本外国特派員協会の主催によるもので日本の大手メディアはこの場に及んでも及び腰であった。テレビカメラも入っていて大手テレビ局も出席していたようだ。質問に立つ記者は独立系のジャーナリストが多かったがNHKも共同通信の記者もいた。共同通信の記者の質問は細部にわたりカウアンさんに答えさせるのは酷ではないかとも思った。共同通信が居ると言う事は全国の地方紙に配信されると言う事である。翌日の道新にも社会面に小さく掲載されていた。カウアンさんによると一度に自宅に呼ばれるのは20人、自分が在籍していた時期だけでも100人から200人の被害者がいたのではないかと推測していた。だとするならセクハラで訴えられたハリウッドの大物プロデューサ、ハーベイ・ワインスタインより悪質ではないか。この記事はニューヨークタイムス、ワシントンポストの一面を飾った。だがジャーニー喜多川氏の記事は大手4紙でも単なるべた記事であつた。NHKでは翌日4時のニュースで2分だけ取り上げられた。メインの7時と9時のニュースでは一切触れていない。まず当日のニュースではない。局内でもひと悶着有ったのだろう。流石に無視するわけにもいかず、かといって大河ドラマで家康を演じている松潤との兼ね合いを考えてのアリバイつくりと考える。民放はと言えば1社たりとも全く触れていない。ここにいたフリージャーナリストのレポートによるとカメラマンたちは会社名が分かる腕章を外し取りあえずいるだけという雰囲気を醸し出していたという。東京のキー局は視聴率稼ぎの為電通とつるみジャーニズ事務所のタレントを回してもらっている。大谷のホームランを流しておけや・・・そのうち忘れる。・・・程度である。現場には良心的なスタッフもいるはずである。だがトップが政権の中心人物と飯を食べる事をなんとも思わない時代である。報道が形骸化しない筈はない。大体放送法の解釈問題が1秒たりとも取り上げられたことがないのである。