ライブ短評

1月20日、21日松島啓之quartet
松島啓之(tp)南山雅樹(p)米木康志(b)本田珠也(ds)
松島は伝統に根ざした一流のインプロバィザーであることには間違いない。米木と珠也をバックにどこまで違う領域まで行ってくれるかが聴き所だ。松島のプレイは何時にもましてキレがあってスピード感がある。そういう気持ちにさせる米木と珠也はほんとうにすごい。世界有数のリズムセクションだと思っている。はっきりいって曲はもう関係ないので省略。当日隣の席に小山彰太さんがいて珠也の凄さを生で解説してくれる。「珠也のレガートはスティクとシンバルが同時になっている。すごいな」禅問答に近いが解かる人には解かるのであろうな・・・・・。拍手したときに右手が鳴っているか左手が鳴っているかは僕にはわからない。

1月26日室内梨央g
梨央は社会人のボーカルだが音程もよくないしリズムもよくない。声量もない。ボーカルにとってヘレン・ケラーのような三重苦を背負っているが妙に印象に残る。祇園精舎の鐘の声ではないが何か儚いのだ。秋の終わりに一鳴して一生を終えるマツムシのようだ。どうか進化などしないでそのまま歌ってください。お客さんで「もっとアクションをつけて体で表現して・・・」みたいなことをおっしゃっている人もいたが辞めた方がいい。ブスの厚化粧になる。

1月27日奥野義典quartet
奥野義典(as)板谷大(p)柳昌也(b)舘山健二(ds)
前回同様全曲ミンガスの曲になった。もう、カルビいりませんと言う位油っこい選曲。4人とも札幌の名だたる職業音楽家、水も漏らさぬ演奏だった。だがふとミンガスの曲をミンガスサウンドでないもので聴きたいと思わせる何かがあった。

1月30日
中島弘恵(p)大久保太郎(b)
この日の選曲はタンゴとjazzが半々くらいだった。弘恵のピアノは切れがいいのでタンゴに向いているとは前から思っていた。タンゴのを表現するのにも色々な手法があるのであろうが、僕はピアソラの様にjazz的は手法があるものにより惹かれるので曲の再現だけで終わられるとちょっと拍子抜けになるときがある。