都知事選の印象

7月6日。投票日前夜、小池百合子の最後の街宣を聴いていた。おりしものゲリラ豪雨で落雷の危険もあるということで小池の登壇は30分以上遅れていた。報道陣もずぶぬれにながら待機している。
やっと登壇した小池のスピーチは大雨災害の対策する公務の為到着をが遅れたなど言い訳をするような内容で至って熱のない内容であった。反対派の怒号も聞こえてくる。時間も短く雨に濡れて厚化粧が落ちるのを嫌がっているとさえ感じた。かたや蓮舫の最終街宣は熱気につつまれており見たこともないほどの聴衆でごった返していた。蓮舫自身のスピーチも感動さえ覚える力強い内容であった。だが応援演説は立民の大御所議員が名を連ね代り映えしない人選で野田元総理のスピーチは安倍総理を称賛するフレーズを含むもので後から考えると立民の選挙対策の稚拙さを象徴するものであった。この時間帯には豪雨も収まり選挙結果にも奇跡が起こるのではとの希望的観測を抱かせる展開となった。
7月7日。8:00
負けるとは分かっていたがまさかのゼロ打ち。投票終了と同時の小池当確発表。蓮舫は3位に転落。石丸が駆使したyou tubeの威力、そして無党派層の投票行動、どれをとってもにわかには受け入れがたい事実であった。詳細は次回に譲るとして石丸候補に投票した20代のコメントを紹介しておく。
「長いわかりにくい演説よりTiktokで一瞬でわかるわかりやすい人にいれた。」
コスパ主義で投票対象が選択される。「1週間で覚えられる英単語」より「5日で覚えられる英単語」の受験本が売れ、映画はエロビデオと同様2倍速見られ、ポップスのギターソロは飛ばされ、「コルトレーンin ジャパン」の全面ジミーギャリソンのソロが収録されている面は針が落とされることはなく、長い小説の代表プルーストの「失われた時を求めて」は手に取られることさえなくなる。
なにかが崩壊している。