ベスト盤
例えばエリントンの極東組曲である。その人間のエッセンスがすべてぶち込まれているような曲がある。そういう意味で国葬は安倍政治の集大成であった。
物事を敵味方でとらえ異論を排除し敵は徹底的に無視をする。政策に異議を唱える官僚は左遷する。閣議決定に法的根拠を与えてくれない内閣法制局長は首をすげ返る。身内と仲間を優遇した結果がモリ・カケ・サクラ問題である。森友問題では「私と妻が関わっていたとしたら議員を辞める」と発言した。その整合性を取るため公文書が改ざんされた。そして公務員としての良心を持っていた赤城さんが自殺した。裁判は認諾と言う金は払うが真相は藪の中と言う形で終結した。汚職まみれの五輪。国葬当日、組織委員会元理事高橋治之容疑者が三度目の逮捕をされた。安倍元総理が「私が絶対に捕まらないようにしてあげます」と確約した人物である。検事総長を自分の粉をかけた黒川氏に無理くり捻じ曲げたことに対する東京地検の怒りかもしれない。だとするとわずかだが明かりも見える。国葬会場ではアベノマスクは禁止だという。布マスクは効果がないからだ。これだって500億掛かっているのだ。遺骨を乗せた車は国会ではなく防衛相に立ち寄った。立法府を徹底的に蔑ろにした人にふさわしいルート66である。まだ色々あるだろう。その政治姿勢が国葬を強行するにあたってすべてに入っている。ビートルズも活動期間は10年である。そのベスト盤の様な国葬であった。