都知事選の後遺症

あの都知事選でこの国の在り方が変わった。と言うより変わりつつあったものの正体が可視化された。社会の動きについての自分の感覚はある程度の確率で当たっていると思っていたが周回遅れのジュラ紀の感性であったと思い知らされた。いくら何でも本物の吉永小百合と赤でも緑でも良いが、狸が化けたものは区別がつくと考えていたしそれぐらいの良識は都民は持っているはずだと思っていた。小池百合子は学歴を詐称し三井不動産と癒着し神宮外苑の再開発を行っている。坂本龍一の最後の訴えも薄笑いを浮かべながら踏みにじった。都議会の運営も中継を見るとわかるのだがお手盛りの答弁しかしていない。石丸伸二も安芸高田市の市長時代の恫喝、選挙関係費用の未払いでの裁判で敗訴している。インタビューを聞けば中身なしのパワハラ野郎だとすぐわかる。だがこれがSNSでは切り取り方によっては無能な政治屋を成敗する白馬の騎士に見えるらしい。無党派層の票を手堅くまとめ160万票も獲得してしまった。最早選挙は政策で戦うものではなく戦術で戦うものとなってしまった。小池百合子は論点を作らぬ様徹底した逃げ回り戦術。石丸は一日10回以上の街頭演説の回数をこなす。だが政策を語ることは皆無で100%どうでも良い東京に出てきて飯を食べた話をする。「皆で政治を変えましょう」と冷静に語り掛けるが方法については触れない。後はyou tubeを見て拡散してくださいと訴える。全く分からん・・・。ベニー・グッドマン楽団を聴きながら踊っていた聴衆がTC・パーカーを初めて聴いた時の様に叫ぶのである。「これは選挙ではない」
蓮舫が出馬を決めた時・・。もしかしたら神風が吹いて勝てるのではと思ってしまった。大本営的発想が頭を擡げてくるのである。最終日の街頭演説は1965年、プラグドニッケルのマイルスバンドの様に熱い。だがこれが最早古いといううのである。分からん・・・・蓮舫は選挙終了後も民放、SNS上で酷いバッシングを受けている。これは戦国時代、将来仇を取りに来る可能性を絶やすために赤子まで抹殺する行為に似ている。自民党を侮ってはいけない。スティルス作戦で小池を当選させるだけの組織力が有るのである。裏金問題で都議選補選でも負け続けてはいるがかといって野党第一党の立民も都知事選で風が止まってしまった。ここで蓮舫的要素を徹底的に摘んでおこうとすること位の事はするであろう。陰謀論に寄与するつもりはないが石丸を資金的に支えたのがドトールコーヒーの創業者、鳥羽博道でこの人物、安倍晋三の支援者であった。鳥羽氏が「選挙の神様」藤川晋之介を選挙参謀にすえ政策を連呼しない選挙戦術を徹底した。この行為が結果的に無党派層の票の行方を決めた。蓮舫に行くべき票が大量に石丸に流れ相対的に小池を後押しする結果となった事は記憶にとどめておくべきである。