カレーライスの偶然

朝起きると無性にカレーが食べたくなった。たぶん今年に入って一度も食べていない。芋と人参はあるがカレー用の肉はない。スーパーに行けばいいのだがそれほどまめではない。今食べたいのはカレールーであって肉ではないと言い聞かせ芋の皮をむき始めた。料理をしているときにラジオは欠かせない。「あまちゃん」の作曲で有名になった大友良英の番組に「カレーライスの歌」でデビューした遠藤賢二が偶然でていた。45周年らしい。僕もこの頃フォークソングをやっていたがこの頃デビューした吉田拓郎、高田渉、加川良そして、遠藤賢二も好きではなかった。だから「カレーライスの歌」を歌ったことはない。もともと本家本元のボブ・ディランが当時は好きでなかったのでその影響を強く受けている人は苦手であった。まだ自分の言葉で歌いたい何かはなかったのでアメリカのフオークを真似ているだけで十分だった。遠藤賢二は「昔のロックグループなんかさ英語がいいか日本語がいいかなんかって不毛な議論してさ。日本語のほうが言いに決まっているジャン。英語の発音気にして歌って何が伝わるの」という。半分はあっていると思う。この日の選曲は四人囃子やヒカシューなど、遠藤本人の曲はかからなかったが今は下手なjazzより好きな自信がある。
カレーも少量作ればいいのだが面倒なのでどうしても何皿分かを作ってしまう。何日かかけてやっと平らげて母の日、一応カネーションなぞ持って実家に行ったらプーンとスパイスの香りがしてくる。カレーだ。
「しばらく作っていなかったから」
僕は朝も食べたがおいしいねと言ってお代わりをした。
「そうかい、いっぱい作ったから帰り持っていきな」と言われた。
もう手が黄土色です。