蔓延防止等特別措置法下に置かれての3日目の金曜日、いきなり緊急事態宣言が出されることになった。コルトレーンチェンジより短いサイクルで変わる政策チェンジではT・フラナガンでなくともついていけない。ライブできる日も今月あと2日。ウィスキーは腐らないがビールは酸っぱくなる。日本酒とビールはブ劣化・ブラザーズなのである。もったいないのでお客さんを返した後シャッターを半分おろし鍵をかけてミュージシャンと反省会と言う名の闇酒場を開店する。地下鉄の最終便も早いのでミュージシャンも11時台には退散する。ライブが終わるのが早いのでいつもより飲まさる。「飲まさる」は北海道特有の言い回しらしいが責任を転嫁する今の政府の真似をしたにすぎない。後かたづけをしていると外が騒々しい。この界隈で営業しているのはlazyとソーラン節をかけて12時過ぎまで開けている居酒屋しかない。パトカーも来ている。蔓延防止等特別措置法でいきなり警察が出てくることはない。そんな世の中になったらG・オーエルの「1984」と同じ監視社会と同じになってしまう。遠巻きで聴くと「仲間内で飲んでいるだけなのにどこが悪い」という店の人間と「いや、けしからん」という自粛警察のいざこざの様だ。こちらも多少の負い目がある。関わり合いにならないようそっと店に帰り息を殺しパトカーが去るのを待った。このご時世。シャッターの前に警官がいると心臓に良くない。クラプトンの「アイ・シャッター・ザ・シェリフ」を掛けてなくてよかった。