月末の野暮用で町の中心部まで自転車で往復した。いつも北大構内を走る。信号もないし車も殆どいない。今の季節、樹木が繫茂していて実に気分が良い。国際交流センターの壁に「10位にランクされた」・・・というポスターが張られていた。少し前道新の記事で読んだことが有る。2022年度、世界の大学社会貢献度で凡そ1000大学の中で10位にランクされたという話だ。SDG’sの達成に向けた取り組みを点数化して順位付けしたものだ。北大は広い北海道の農業実態を考慮したうえでスマート農業など新しい取り組みを発表している。地元の大学が評価されると言う事は嬉しい事でもある。だが・・・・・
北大は企業人事担当者から見た大学イメージ調査2021年度ランキング1位でもある。大学の募集要項にも「起業家を目指す学部生へのキャリア教育を試行」と明記してある。いつからだろうか・・・・大学が「稼げる大学」を目指さざるを得なくなったのは。産業界からは即戦力となる学生の要請を文科省経由で求められる。研究成果を出さないと研究費を削られる。産業界からは連携包括協定なるもので研究費援助を餌に金になる研究を迫られる。国からの交付金は年々減らされ先進国の中では最低である。ネイチャー誌に発表される論文数も毎年減少しているし博士号を取得する人数も減っている。それだけでは食えないからだ。高等教育でもAKB化、エグザイル化が進んでいる。そんな中での北大の格付け上位ランキングである。構内を走ると色々な商業施設が目に付く。北大は札幌の観光名所でもあるからだ。今の学長宝金さんになってから新聞紙上で企業との連携包括協定の記事をよく目にする。学長は構内にホテルを建てる構想があると言う。以前札幌ドームの候補地にもなった。絶対にやめたほうが良い。あの広い敷地が疑いなく知的活動に良い影響を与えている。大志を抱こうかな・・・と言い気になる。僕はlazyでjazz研の部員を通して北大生を定点観測している。皆優秀である。少なくともそう見える。大学受験もそうであるのかもしれないが、ある種の格付けテストが有れば最小の労力で其れをクリアしようという能力を身に着ける。要領が良い、とか小賢しいとか言って揶揄するつもりは全くない。
国のトップが「今だけ、金だけ、自分だけ」と言う人物であれば教育にもその思想がジワジワ浸み込み学生もその生簀の中で上のランクに入ろうという発想になる。