2月28日の道新一面記事は敵基地攻撃能力の範囲を巡る国会質疑での岸田総理の発言であった。戦闘機あるいは上陸作戦による相手国への攻撃は専守防衛の範囲であるかとの質問に存立危機事態と判断すればあり得るとの答えであった。これは誰が見ても先制攻撃による戦争である。新聞もただ事実を書いているだけで批判めいた論調はない。マスコミの凋落ぶりは酷いものが有る。
西山太吉氏が亡くなった。誰それ・・・と言う事になるかもしれない。沖縄返還時に日本が一部基地の原状復帰費用約10億を日本側が負担するという密約を結んでいたという事実をスクープした元毎日新聞の記者である。この事件を密約事件と呼ぶのと政府側が呼ぶ国家機密漏洩罪と呼ぶのではトーンが全く違う。当時政府は密約などないとひた隠しにしていたがアメリカの公文書でこの資料が発見された。だが西山氏は外務省の女性職員から資料を不正に取得したなどとの面が強調され国家機密漏洩罪に問われた。国民に知らされるべき事実がどんどん隠蔽されていく。沖縄は台湾有事をあおるマスコミのプロパガンダもあってどんどん基地化されている。2回目の捨て石にされる可能性が出ている。これに警鐘を鳴らすジャーナリストがあまりに少ない。西山太吉氏を思い出す所以である。