変わり映えのしない内閣改造と言ってのけるのは簡単である。ちょっと斜に構えて「おいら、こんなつまんないことに関わり合うのはごめんだぜ」と立ち去るほうがカッコよい。だがそこに萌芽している芽の毒性を説明しておくことは意味のない事ではないと考える。外務大臣が上川陽子に変わった。この人事が発表される数日前、前外務大臣林芳正が経済筋を連れてウクライナに飛んでいる。来年から本格化するであろう復興支援の話を取り付けるためである。通信関係では楽天の三木谷社長が同行している。NTTでも富士通でもない十両級の会社である。三木谷社長の一橋の同窓に木原正裕という人物がいる。みずほフィナンシャルグループの新社長である。楽天のメインバンクはみずほである。木原という名前・・・最近よく聞くと想い出した貴方2ポイントゲット。木原官房副長官の兄であり木原誠二も三木谷社長とは仲が良い。木原官房副長官は次回の選挙では落選する可能性がある。愛人宅も含めて二つの家庭を維持するのは大変である。誰が面倒見るのか・・・その見返りは・・と考えると見えてくるものがある。林芳正外相はゼレンスキーに復興支援を約束している。戦争期の支援より利益が上がる一大利権である。この話を纏めた帰りの飛行機の中で更迭の事実を知ることになる。普通は驚きで椅子からずり落ちる。ところがそうはならなかった。林外相は岸田派の議員である。女性登用を謳ってみたものの派閥の力学で目玉のポストがない。そこで岸田総理は将来の総裁候補と言う人参をぶら下げ派閥の取りまとめを要請し更迭を説得した。抜擢された上川陽子は法相時代、オウム真理教事件の死刑執行を行った人間である。実務的な人間であるが外交問題に関しては素人である。岸田総理にとってはその方が都合が良いのである。岸田総理は外交の舞台で目立ちたいと考えている。大臣が素人であれば官僚も自分に直接お伺いをたてに来るはずだと踏んでいる。外交と言う名の衣をつけた「外遊好き」のばらまきメガネの本心である。