北大祭探訪記

毎年jazz研の演奏を聴くことを中心に北大祭に行っている。足が弱ってきているので出店の探索はやめ一日中ジヤズ研主催の部屋に根を降ろしていた。朝一から3日間通った。部員の誰よりも長く聴いていたのではないか。何十年も通っていると毎年そこで会う人がいるのだが今年はそういう方には会わなかったしOBにも4.5人しか会わなかった。進行もスムーズで幹部の指導が行き渡っていると感じた。勿論演奏を聴くことを中心に通っているのだが部員たちのスタッフとしての動きも当然目に入る。お客さんのあしらいが上手かったり、PAのオペレイトが上手かったり、舞台の展開がてきぱきと出来たりしているのを見るのは気分が良い。毎年早起きして行くのは最初に演奏する1年生の演奏を聞くというか応援しに行くためである。高校からジャズをやっている子もいれば大学に入って初めて楽器を触ったと言う子もいる。今年もテーマにうまく入れなかった子もいた。思わず「頑張れ」と声を出してしまった。愛情を持って聴けば旨い演奏だけが楽しいわけではない事が実感できる。秋のlazyでやる一年生北大、樽商定期戦迄何人残るかが新入部員の定着率を決める。全く知らない演奏家の名前も聴くこともあった。最近は新譜をほとんど買うこともないし情報誌も読まないので最新情報には疎いが竜宮城から戻ってきたような驚きのサウンドに遭遇することもなかった。学生に教えを乞うくらいの気持ちでいた方が楽だ。MCも流暢に喋れる子もいれば普段使い慣れていない改まった語彙を使いしどろもどろになる子もいた。それはそれでご愛敬。バイトのI川が「モーニン」の出だしの音を間違って曲をやり直し笑を誘った。僕は演出だと思ったが関係者に聞くと本当に間違ったらしい。珠也とやった時でなくてよかった。学祭の大トリバンドは毎年部長のバンドである。今年は一哲バンドのレパートリーで通した。折しもその日魚返トリオのスケジュールが決まったのである。部長のT田に「魚返入れてモズやってみるか」とメールを出した。すぐ返信が来た「是非やらせてください」所謂学生all stars企画のアイディアもこんな現場で思いつくこともある。
入場料は300円で3日通し券である。受付は1年生がやっているので僕の事を知らない子も多い。勿論購入して入場するのであるが時々紛失してしまう。その都度再度購入していたエピソードを話したことが有る。今年は初日から受け取りを固辞されて逆に300円ケチったみたいでカッコ悪かった。事件は最終日に起こった。僕が早く着き過ぎたのか受付の子が来ていなかった。リハが長びき開場が遅れているようだ。受付の1年生らしき子が来た。僕がチケットを出すと「S谷さんですね」と言った。僕は「ちがうよ」とさらっと言った。一瞬その場が凍り付いた。ネタでライバル店になっている店のマスターと間違ったらしい。こういう美味しいネタはすぐ使わなければならない。部長が通りかかったので受付の子が僕の名前を間違ったことを告げると何度も深々と頭を下げた。演奏に支障が出るので指を詰めさせることは勘弁してあげた。