札幌はこの時期、猛暑の予感をさせるような天候が続くかと思えば倦怠期の男女関係の様に寒々とした日が続くこともある。北海道ではリラ冷えと呼ばれている。何となく隠微な響きがする言葉である。渡辺淳一の小説に「リラ冷えの街」という一編がある。自分の精子で人工授精をした女性と10年後奇しくもめぐり逢い不倫関係に陥る話である。50年前に読んだ小説であるがこういう天候が続くと何故か思い出す。この時期は北大祭の季節でもある。不倫とは無関係な催しである。毎年足を運んでいる。おおらかな心を持っている大人は300円で一日楽しめる。jazz研一年生の演奏を聴きたいので朝一から詰めかけている。高校生の時からジャズをやっているものはそんなに多くない。ブラスバンド上がりで楽器は操れる者、楽器も大学から始めたであろうという者がこぞってジヤズってこんな感じ・・・という演奏が微笑ましいのである。先輩に言われた曲を代表的な音源を聴きながら練習したのだと思う。枯葉を演奏したグループがあった。マイルスのサムシンエルスの手本にしている。マイルスとは別次元の緊張感である。ガス欠で止まりそうな車を皆で押して走らせているスピード感である。思わずにわか福音派となり指を組み神に祈るのである。頑張れ。頑張れ・・・・。年長者の演奏は流石である。Aブレーキートリビュートバンドがあった。時間が巻いて予定になかったモーニンをやることになった。会場が湧いた。同じリーダー、同じピアノで昨年もやっているからだ。名前は伏せるがlazyのバイトのIがピアニストであった。出だしのタッタタララララーラを全く違うメロディーを弾いてやり直した経緯がある。大爆笑であった。僕はIが受け狙いでやったのだと思っていた。今年もその流れを期待したが滞りなく進んでしまった。Iはサービス精神に欠けている。バット・パウエルではなくダチョウ倶楽部を研究した方が良い。今年が最後の学祭になる学生もいる。時間の都合で全部は聴けない。4年。或いは6年・・・僕にとってはあっという間である。
